【要約】嫌われる勇気・アドラー心理学について紹介

はじめに

当記事では、「嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え」をもとに、
アドラー心理学についてざっくりと紹介してきます。

結論

この本の内容をまとめると、以下の通りです。

  • 悩みの全ては、人間関係由来のもの
  • 自分の課題と他者の課題を分離することが大切
  • 自由とは、他者から嫌われること

  • 承認欲求ではなく、他者貢献をすることで幸福感を満たすことができる
  • 「いま、ここ」を意識しながら、ダンスをするように生きる

上記項目について、以下で詳しく説明します。

内容

この本は、「青年」と「哲人」の対話形式で繰り広げられます
なので、読書が苦手な方にとっても比較的読みやすいと思います。

目次

  1. トラウマを否定せよ
  2. 全ての悩みは人間関係
  3. 他者への課題を切り捨てる
  4. 世界の中心はどこにあるか
  5. 「いま、ここ」を真剣に生きる

1. トラウマを否定せよ

まとめ
  • アドラー心理学は、現在の「目的」を重点的に捉える「目的論」をベースとする心理学
  • 目的論では、トラウマを否定し、「今までの経験の中から目的に適したものを見つけて、
    その経験に対して意味を与えている」と捉える
  • 自分自身を変えられないのは、自分自身に対して「変わらない」という決心をしているから
    • 変えるためには、変わるための「勇気」が必要

アドラー心理学について

この本の「嫌われる勇気」とは、アドラー心理学で提唱されている概念です。

アドラー心理学とは、オーストリアのアルフレッド・アドラーという方が提唱した、新しい心理学です。

具体的には、過去の「原因」ではなく現在の「目的」を重点的に捉えます
前者が「原因論」、後者が「目的論」と呼ばれるものです。

目的論について

たとえば、引きこもりの人がいるとします。

原因論の場合、「何かしらのトラウマ (原因) などがあるから、引きこもりになった」というふうに捉えます。

逆に、目的論の場合、「外に出たくない (目的) から、不安という感情を作り出している」と捉えます。

トラウマについて

アドラー心理学では、トラウマの存在を否定しています

今までの経験の中から目的に適したものを見つけて、その経験に対して意味を与えている
というのがアドラー心理学での考えです。

先ほどの引きこもりの例でいうと、
対人恐怖症だから、引きこもりになってしまった」という場合、
何かしらの目的があって、対人恐怖症 (恐怖・不安) という感情を作り出し、外に出ないという選択をしている」と捉えます。

原因論目的論
対人恐怖症だから、引きこもりになってしまった対人恐怖症 (恐怖・不安) という感情を作り出し、
引きこもるという選択をしている

また、その「何かしらの目的」は
家族などに他人よりも丁重に扱ってくれるから」、「他者との関係で傷つかない
などが考えられます。

変われない理由

アドラー心理学では、性格、気質などは先天的に付与されるものではなく、「自分自身で選んだもの」と捉えます。

そして、自分自身を変えられないのは、自分自身に対して「変わらない」という決心をしているから、と提唱しています。

理由は安直で、「変わらない方が楽だから」です。

自身のライフスタイルを変えるためには、変わるための「勇気」が必要です
アドラー心理学では、「勇気」を重要視している勇気の心理学、とも呼ばれているそうです。

2. すべての悩みは対人関係

まとめ
  • 短所ばかり見つけてしまうのは、「短所さえなければ」という可能性の中に生きられるから
    • 結果がどうであっても、前に踏み出す勇気を持つべき
  • 劣等感は、「客観的な事実」ではなく、「主観的な思い込み」
  • 劣等感は、悪いものではなく、上手く使いこなすことで、より目的達成に近づける

  • 劣等感を言い訳として扱い始めた状態を、「劣等コンプレックス」と呼ぶ
  • 過去の栄光や、地位などに縋り付いている状態のことを、「優越コンプレックス」と呼ぶ

  • 他者よりも上を目指そうとするものではなく、自らの足を一歩前に踏み出すことが大切
  • 「人々はわたしの仲間だ」という実感があれば、対人関係の悩みは解消される

  • 人生のタスクを達成することで、
    行動面や精神面で社会と調和の取れた関係を築くことができる

自己否定について

アドラー心理学では、
短所ばかり見つけてしまうのは、自分を好きにならないでおこう、と決心しているから」と捉えます。

また、自分を好きにならないことによって、
「短所さえなければ、自分はできたんだ」という可能性の中に生きることができてしまいます

先ほどの引きこもりの方の例に出すと、
対人恐怖症でなければ、自分も仕事がちゃんとできたんだ
と捉えることができてしまうような感じです。

これを対処するには、
結果がどうであっても前に踏み出す勇気を持って行動することが大切です。

劣等感について

劣等感は、「客観的な事実」ではなく、「主観的な思い込み」です。
そして、主観は自分の手で選択することができます

例えば、「低身長」という劣等感も、
「他者への威圧感がない」などの長所として捉えることができます。

優越性の追求について

無力な状態から脱したいという意欲のことを、「優越性の追求」と呼びます。

また、劣等感は、優越性の追求をしているうちに目的に到達できていない自分に対して抱くことになります。

劣等感というとネガティブなイメージがありますが、
決して悪いものではなく、上手く利用することで、目標達成への促進剤になりうる存在です。

例えば、「自分は学歴が低いから、もっと勉強を頑張ろう」というような意欲が出れば、
より熱心に取り組むことができます。

劣等コンプレックスについて

ただし、この劣等感を間違った方向に利用してしまうと、
「低学歴だから、成功できないんだな」のように言い訳をしたりしてしまいます

このような、劣等感を言い訳に使い始めた状態のことを、
劣等コンプレックス」と呼びます。

劣等コンプレックスを抱いている人は、
「成功できない」のではなく、「成功したくない」という考えを持っています

理由としては、一歩前に踏み出すのが怖かったり、現実的な努力をしたくないから、などが挙げられます。

優越コンプレックスについて

過去の栄光や、地位などに縋り付いている状態のことを、
優越コンプレックス」といいます。

劣等感を感じながら、劣等コンプレックスですら満足できなくなってしまうと、
この優越コンプレックスに手が出てしまいます

また、通常とは逆のベクトルで他より優位に立とうとして、
不幸自慢などをすることも、優越コンプレックスの一部です。

他者との競争について

優越性の追求は、
他者よりも上を目指そうとするものではなく、自らの足を一歩前に踏み出すものです。
他者との競争をせずに、ただ前に向かって進めばいいだけだ、という考えが重要です。

逆に競争思考になってしまうと、競争に負けたときに他者を敵だとみなしてしまったり
勝ち続ける必要があり、心の余裕がなくなってしまったりしてしまいます。

「人々はわたしの仲間だ」という実感があれば、対人関係の悩みはほとんどなくなるでしょう。

人生のタスクについて

アドラー心理学での、行動面・心理面のあり方についての目標を掲げています。

具体的には、以下のような内容です。

行動面

  • 自立すること
  • 社会と調和すること

心理面

  • 自分に能力がある、という意識を持つこと
  • 人々は自分の仲間である、という意識を持つこと

これらの目標を達成するためのタスクを、「人生のタスク」といいます。

人生のタスクは、3つに細分化することができます。

  • 仕事のタスク:成果に向かって協力しあう関係を築く
  • 交友のタスク:仕事のような強制力のない関係を築く
  • 愛のタスク:恋愛関係、家族関係などを築く

これらのタスクをこなすことで、
行動面や精神面で社会と調和の取れた関係を築くことができます。

3. 他者の課題を切り捨てる

まとめ
  • 他者の期待を満たすため生きていると、本来の自分を見失ってしまう
  • 逆に、他者の言動などが自分の思い通りにいかなくても、怒ったりしない

  • 「自分と相手の課題をそれぞれ分離して、他者の課題に関しては踏み込まない」のが大切
    • 「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か」を基準に考える
    • 他者を理解したうえで、いつでも援助できる体制をとっておく

  • 他者の期待を満たすための生き方は、不自由な生き方
    • 嫌われてもいいから、自分らしく生きる

承認欲求について

アドラー心理学では、承認欲求を否定します
理由としては、他者の期待を満たすために生きていないからです。

例えば、会社などでゴミ拾いをしているとします。
しかし、誰からも感謝の言葉がない場合、あなたはゴミ拾いを続けますか?
「他人からの感謝のためにゴミ拾いをする」のは、他者のために生きてしまっている状態です。

他人のために生きていると、
最終的には他者の人生を歩むことになってしまい、本来の自分の人生を見失ってしまいます

逆に、他者も「あなたの期待を満たすものではない」ので、
自分の思い通りにいかなくても、怒ったりしないことが大切です。

また、これらの承認欲求は、賞罰教育が原因で蔓延しています
賞罰教育とは、「適切な行動をしたら褒める」、「不適切な行動をしたら叱る」という教育方法です。
このような賞罰教育の結果、
「褒める人がいないと適切な行動をしない」、「罰する人がいないと不適切な行動をする」
などの行為に及んでしまいます

これらの対策については、後述します。

課題の分離について

このような承認欲求に悩まされて、他人の視線・期待に応えようとして生きている人は、
自分本位に振る舞うことができなくなってしまっています。

そこで活躍するのが、「課題の分離」です。
課題の分離とは、自分の課題と相手の課題を分離することです。

例えば、子供が全く勉強していなく、親が強引に塾に通わせたとします。
これは、課題の分離に反しています。
勉強するかしないかは、親の課題ではなく子供の課題なので、
親が子供の課題に対して踏み込まないのが理想です。

このように、「自分と相手の課題をそれぞれ分離して、他者の課題に関しては踏み込まない」というのが大切です。
あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に対して土足で踏み入ることが原因で引き起こされます

また、誰の課題かを判別するには、
「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か」を基準に考えます。

例えば、「子供が全く勉強しない」という課題に関して、子供が「勉強しない」という決断をした場合、
「授業についていけなくなる」、「志望校に合格できなくなる」などの結果は子供自身が引き受けます。

だからといって、子供を完全に放置するのではなく、
子供が何をしているのかを把握したうえで、見守ることが大切です
例えば、勉強せずに志望校に合格できなくても、自分の課題だということを伝えたり、
本人が勉強したいと思ったときにすぐに援助できるようにする、などの対応をすることが最適です。

さらに、人生の選択についても、課題の分離で解決できます
「自分が信じる最善の道を選ぶこと」は、自分の課題であり、
「それに対して他者がどう思うか」は、他者の課題なので、
他者に猛反対されようが、自分の道をただ歩めばいいだけです

嫌われる勇気について

さて、ここでタイトルの「嫌われる勇気」についてです。

人生では、自分で道を選択することが必要になります。
しかし、どう生きるかを決定することは難しく、必然的に迷ってしまいます

そこで、他人の期待を満たすように生きてしまえば、道に迷うことなく、楽に生きられます
例えば、「親が期待するような職業に就く」などです。

ですが、そこには自由がありません
自分にとって不自由な生き方をすることになってしまいます。

なぜ、このような不自由な生活を送ってしまうのでしょうか?
理由は、「他者から嫌われたくないから」です。

ただ、完全に誰からも嫌われないことなど到底達成できません。
例えば、有名人になれば必然的にアンチがついたりしてしまいます。
誰からも愛されようとする姿勢は、自分の人生ではなく、他者の人生を歩むことになってしまいます。

そこで必要なのが、嫌われる勇気です。
「相手が自分に対して嫌悪感を抱くか」は他者の課題なので、自分は介入してもしょうがないです。
なので、「嫌われてもいいから、自分らしく生きる」というスタンスを持つことが重要です。

4. 世界の中心はどこにあるか

まとめ
  • 他者を仲間だと認識して、所属感を感じるために、他者に関心を持つ
  • 「わたしはこの人(共同体)に対して、何を与えられるか」を考える

  • 褒めや叱りをせず、勇気づけによって相手に勇気を与える
    • 他者に「自分にはできる!」と思わせること
    • 他者に感謝をすること
  • 人は感謝をされると、「自分には価値がある」と実感することができる

共同体感覚について

対人関係は、課題の分離だけでは完結することができません。
より深くまで追求すると、「共同体感覚」という概念にたどり着きます。

共同体感覚とは、「他者を仲間だと認識して、そこに自分の居場所があると感じられること」です。
そして、「共同体」とは、家族や職場のみならず、国家、人類、
さらには動植物、宇宙などを含んだ全てを指します。

また、共同体感覚は英語で”Social interest”(社会への関心)と呼ぶそうです。
自己への執着ではなく、社会(他者)に目を向けていくことが重要です。

承認欲求に囚われてしまっている人は、課題の分離ができていなく、
他者の目を気にしながら自分にしか関心がない状態に陥ってしまっています

さらに、共同体感覚で大切なのが、
「わたしはこの人(共同体)に対して、何を与えられるか」を考えながら人生のタスクに立ち向かうことです。
このように、共同体に所属するだけでなく、自らアクションすることで所属感を得ることができます。

横の関係について

共同体感覚を得るためには人生のタスクに立ち向かう必要がありますが、具体的にどうすればいいのでしょうか?
ここで登場するのが、「横の関係」という概念です。

例えば、教育方法として「褒める」と「叱る」という方法があります。
適切な行動をしたら褒め、不適切な行動をしたら叱る、という教育方法です。

これらの教育は、先述の通り、賞罰教育と呼ばれる教育方法で、よいアプローチとは言えません。
アドラー心理学では、褒めることも叱ることも認めていません

また、褒められることは、能力のある人が能力のない人に対して行うことなので、
褒められることによって、「自分には能力がない」と捉えてしまいます

褒める、叱るという行為は、他者の操作が目的となっており、
横の関係ではなく縦の関係になってしまいます
そのような関係性ではなく、横の関係で捉えることが必要です。

では、横の関係を築くために、どのようなアプローチをとることが必要なのでしょう?

勇気づけについて

結論から言うと、「勇気づけ」という方法をとることで、横の関係を築くことができます。

勇気づけとは、他者の課題を本人が解決できるようにするための援助のことです。

教育を例に挙げると、「勉強しなさい」と指示するのではなく、
本人に「自分は勉強ができるんだ」という自信を持たせて、
自力で勉強に立ち向かうようにさせることで援助することができます。

縦の関係横の関係
褒める、叱る などの賞罰教育援助、感謝などによる勇気づけ

また、パートナー等の場合、援助の他に感謝をすることで勇気づけをすることができます。
感謝をされると、「自分には価値がある」と実感し、
勇気を持って課題に取り組むことができるようになります

さらに、何かしらの行動に対して感謝することに加えて、他者が存在しているということにも感謝することで、
感謝された側は自分の価値を実感することができ、勇気を持つことができます。

このように、課題の分離→横の関係を築く→勇気づけというステップをとることで、
よい対人関係を築き、人生のタスクをこなせるようになります。

5. 「いま、ここ」を真剣に生きる

まとめ
  • 共同体感覚を持つうえで、「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」の理解、行動が必要
  • 他者貢献によって、自身が「誰かの役に立っている」という感覚(貢献感)を持つことで、幸福になれる
  • 普通である自分を受け入れ、自己受容する
  • 人生に大きな目標を掲げ、人生を登山のように生きるのではなく
    「いま、ここ」という連続する刹那をダンスをするように生きるべき
  • 他者貢献によって、他者から嫌われることを恐れず、他者の人生を歩まず、
    貢献することさえできれば、迷うこともなく自由に生きられます

自己受容

共同体感覚で必要なこととして、自己執着ではなく他者への関心が必要だ、というものがありました。
しかし、なかなか自分に自信を持てずに自意識過剰になってしまうことがあります。

共同体感覚を持つうえで必要になる概念として、「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」があります。
これらの概念を理解し、行動することで自意識過剰などの問題を解決し、
他者への関心を持つことができるようになります。

1つめの自己受容ですが、これは
できない自分を受け入れて、できるようになるために前に進むこと」です。

「どうしてできないのか」「どうしたらよりよくなるのか」を考え、前進することで、
ゆくゆくはできなかったことを解決できるようになります。

似ている言葉に「自己肯定」という言葉がありますが、
これは「できないのに、自分はできると暗示をかけること」です。
自己肯定は、優越コンプレックスによって自分に嘘をついてしまう生き方になってしまいます。
自己肯定ではなく、自己受容によって自身を認めることが大切です。

自己受容自己肯定
  意味  できない自分を受け入れて、
できるようになるために前に進むこと
できないのに、自分はできると暗示をかけること
考え方「よりよくするにはどうすればいいか」「今回はたまたま悪かっただけだ」

他者信頼について

続いて、「他者信頼」です。

他者信頼とは「他者を信じる」という意味ですが、
他者を信じるにあたって、「条件を付けずに信じる」ということが大切です。

たとえ裏切られようと、裏切るか裏切らないかを決定するのは他者なので、
ここも課題の分離で考え、自分はどうするかさえ考えていればいいのです。

ですが、ただただ裏切られていては、ただのお人好しになってしまいます。
その人との関係性を断ち切りたい場合は、
断ち切るかどうかは自分の課題なので、断ち切っても問題ないです。

逆に、他者信頼をせずに他者を疑いながら生きていると、
結局誰とも深い関係性を築くことができなくなってしまいます

他者貢献について

最後に、「他者貢献」についてです。
他者貢献とは、「他者に対してなんらかの働きかけをし、貢献すること」です。

例えば、仕事で働くということも他者貢献です。
働くことによって、私は誰かの役に立っているという実感を得ることができます

ただ、自己犠牲精神を抱いて、自分を捨てて尽力することは間違っており、
自分の価値を実感するために働くことが重要です

幸福について

この他者貢献についてですが、「貢献のかたちは、目に見えなくても構わない」と述べています。

自身の貢献が、実際に他者に役立っているかどうかは他者の課題のため、自身は介入できません。
そこで、自身が「誰かの役に立っている」という感覚(貢献感)を持てていれば、それで十分なのです。

この感覚を持つことが、アドラー心理学での幸福の定義になります。

承認欲求を持つ人は、この貢献感を得るために承認を求めてしまうのです。
他者からの承認を要せず、「誰かの役に立っている」という共同体感覚を実感することができれば、自然と承認欲求も不必要となります

普通であることの勇気について

このように、貢献感を持つことが幸福であるというのがアドラー心理学での定義ですが、
これでは物足りず、特別であろうとすることがあります。

具体的には、子供が親などの他者に注目してもらうために、特別な存在になろうとしたりすることです。
不登校や、リストカット、あるいは引きこもりなども、他者からの注目のための行動です。

特別であろうとする理由は、「普通の自分が受け入れられない」からです。
普通の自分を受け入れ、自己受容することが大切です。

また、「普通である」ことは、「無能である」ということではなく、
わざわざ自身の優越性を誇示する必要はないと述べています。

人生について

人生についても、何かしら特別な人生を送ろうと高らかな目標を掲げるのではなく、
普通であることを自己受容することが大切
だというのが、アドラー心理学の見解です。

人生に大きな目標を掲げ、人生を登山のように生きるのではなく
「いま、ここ」という連続する刹那をダンスをするように生きる
ことが大切だといいます。

目標に向かって山場を登るように努力してしまうと、
その途中で生を終えたときに後悔などが残ってしまいますが、
「いま、ここ」を意識しながら、いつの間にか山場に到達している、というふうに捉えることで、
充実した人生を送ることができます

受験勉強を例に挙げると、受験のために目標を立てて勉強するのではなく、
毎日少しずつでも単語を覚えたりすることで、自然と目標に到達することができます。

また、アドラーは「一般的な人生に意味はなく、人生の意味は自分自身に与えるものだ」と述べています。
どれだけ悲惨な人生を歩もうが、最終的に自分の人生に意味を与えるのは自分です

そのために必要なことが、他者貢献です。
他者から嫌われることを恐れず、他者の人生を歩まず、貢献することさえできれば、
迷うこともなく、自由に生きられます

この他者貢献のことを、アドラー心理学では「導きの星」といいます。
導きの星に向かって、ひたすら前に進めば、幸福になれる、という理想です。

まとめ

「嫌われる勇気」をもとに、アドラー心理学の「課題の分離」、「他者貢献」などについてざっくり紹介しました。

課題の分離をし、他者がどう思うかはおいておき、
勇気を持って他者や社会に積極的に貢献し、幸福になりましょう!

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