昨今のゲーム開発で必須級のゲームエンジン。
この記事では、様々なゲームエンジンの紹介、ライセンス・利用料金などについてまとめて解説します。
ゲームエンジンとは?
ゲームエンジンとは、描画処理、物理演算、サウンド、入力処理など、ゲーム制作に必要な様々な機能を統合したソフトウェアの総称です。
ゲームエンジンを利用することで、開発者が一からこれらの機能を自作するコストを省略できます。
ゲームエンジンの種類
当記事では、これらのゲームエンジンについて紹介します。
- Unity
- Unreal Engine
- Cocos
- Godot
- GameMaker
- Ebitengine
- Pico8
- Pyxel
本格的な開発が見込めるのは、前半5つのゲームエンジンで、
よりニッチなゲーム、開発環境での開発がしたい場合は、後半3つのゲームエンジンを利用することができます。
Unity
- 初版:2005年
- 使用言語:C#
- 利用料金:基本無料
- ライセンス:商用利用可能
- 対応プラットフォーム:PC, モバイル, Web, コンソール
2D, 3Dゲームを開発できる、汎用性の高いゲームエンジンです。
機能も充実しており、インディーゲームから大規模なコンシューマーゲーム、モバイルゲームやVRの開発など、ほとんどのゲーム、プラットフォームに対応可能です。
ライセンスについてですが、現状かなりあやふやですが、
RuntimeFeeという「売上に応じて追加料金がかかる」という制度が課されると発表がありましたが、つい最近撤回されたので従来通り無料でも商用利用可能です。
使用例
- ポケモンGO
- 原神
- Among Us
また、これらの有名なゲームに加えて、VRやメタバース、産業にも利用されている、とても汎用性の高いゲームエンジンです。
Unreal Engine
- 初版:1998年
- 使用可能言語:C++, BluePrint(独自ビジュアルスクリプティング)
- 利用料金:基本無料
- ライセンス:年間売上100万ドル以上の場合、ライセンス契約が必要
- 対応プラットフォーム:PC, モバイル, コンソール
高品質な3Dゲーム・映像制作を中心に利用されているゲームエンジンです。
また、通常のゲーム開発の場合はコーディングが必要ですが、
UEの場合はBluePrintというビジュアルスクリプティング機能を利用して、
コードを組まずにゲームを動作させることも可能です。
UEの欠点としては、3Dの開発が得意な代わりに、2Dの開発やモバイルプラットフォームの開発が難しいことなどが挙げられます。
使用例
- Fortnite
- ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
- LITTLE NIGHTMARES
また、これらのゲームに加えて、UnrealEngineは映像制作、建築デザイン、自動車シミュレーションなどにも向いています。
Cocos
- 初版:2008年
- 使用可能言語:C++
- 利用料金:完全無料
- ライセンス:MITライセンス(商用利用可能)
- 対応プラットフォーム:PC, モバイル, Web, 一部コンソール
UnityやUEに比べると認知度が低いゲームエンジンですが、商用利用が可能で完全無料で扱えることが強いです。
Cocosには、Cocos2d-xとCocos Creatorというものが存在します。
Cocos2d-xは、フレームワークで、コードのみの低レベルな開発ができます。
Cocos Creatorは、UnityやUnrealEngineなどと同様にGUIをベースとした高レベルな開発ができます。
欠点は、有名どころのゲームエンジンと比較すると情報量が少なく、疑問点などを解決することが難しい場合が多くなります。
使用例
- モンスターストライク
- ツムツム
Godot
- 初版:2014年
- 使用可能言語:C#, GDScript(独自言語)
- 利用料金:完全無料
- ライセンス:MITライセンス(商用利用可能)
- 対応プラットフォーム:PC, モバイル, Web (コンソールも一部対応可能)
こちらもCocos同様、商用利用可能で完全無料で使用できるゲームエンジンです。
また、他のゲームエンジンと比較すると圧倒的に軽量なので、
低スペックなPCでも開発可能です。
コーディングは、GDScirptというPythonに似た文法の独自言語を使用して開発します。
文法はシンプルで、他の言語を触っていればすぐに慣れることができるかと思います。
欠点は、他のゲームエンジンと比較すると機能面など未熟な部分があり、
大規模なゲーム開発は難しいということです。
下記の使用例も、ほとんどがインディーゲームです。
使用例
- DomeKeeper
- Windowkill
- うさぎしま
GameMaker
- 初版:1999年
- 使用可能言語:GameMakerLanguage(独自言語)
- 利用料金:基本無料
- ライセンス:商用利用する場合、ライセンスの契約が必要
- 対応プラットフォーム:PC, モバイル, Web, コンソール
2Dゲーム開発に特化したゲームエンジンです。
一応3Dゲームも開発可能だそうですが、他のエンジンと比較すると性能面などで劣ります。
また、商用利用をするには、有料のライセンスを契約する必要があります。
コーディングは、独自言語のGameMakerLanguageというものを使います。
さらに、ビジュアルスクリプティングも利用可能です。
使用例
- UnderTale
- Downwell
- Minit
ここから、マイナーなゲームエンジンの紹介です。
小規模でシンプルなゲームエンジンや、ドット絵などの特徴的なゲームエンジンをまとめています。
Ebitengine
- 初版:2015年
- 使用可能言語:Go言語
- 利用料金:無料
- ライセンス:Apache License 2.0 (商用利用可能)
- 対応プラットフォーム:PC, Mobile, Web, NintendoSwitch
シンプルな2D特化ゲームエンジンです。
下記のゲームを開発している、Odencatさんなどが主に利用しています。
ただ、結構マイナーなので情報量が少ないです。
ゲーム開発に慣れたら、挑戦してみるのがオススメかもしれないです。
使用例
- くまのレストラン
- メグとばけもの
Pico8
- 初版:2015年
- 使用可能言語:Lua言語
- 利用料金:15ドル(買い切り)
- ライセンス:cc0 1.0 (商用利用可能)
- 対応プラットフォーム:PC, Web
昔ながらのゲームらしい制約を考慮しながら開発できるゲームエンジンです。
具体的には、128×128という解像度、色数が16のみ、ゲームのサイズは32KBまでというミニマムなゲームを開発できます。
ゲームボーイのような、レトロなゲームを現代で開発したい人にオススメなゲームエンジンです。
使用例
- Celeste
- PICOCAD
Pyxel
- 初版:2018年
- 使用可能言語:Python
- 利用料金:無料
- ライセンス:MITライセンス(商用利用可能)
- 対応プラットフォーム:PC, Web
こちらも、PICO8のようなレトロなゲーム開発ができるゲームエンジンです。
PICO8とは異なり、商用利用可能で無料で開発することができます。
また、PICO8よりもGUIなどの可視性があったり、金銭的に挑戦しやすい面から、こちらを一度挑戦してみるのがオススメです。
使用例
- Lovely Composer
オススメのゲームエンジン
各ゲームエンジンのメリット・デメリット
主要なゲームエンジンのメリットデメリットを表にまとめます。
ゲームエンジン | メリット | デメリット |
Unity | 汎用性が高い 情報量が多く、学習コストが低い | 高品質な3Dグラフィック描画が苦手 |
Unreal Engine | 高品質な3Dグラフィック描画が得意 ビジュアルスクリプティング可能 | 2D開発が苦手 モバイル開発、Webアプリ開発などが苦手 学習コストが高い |
Cocos | オープンソースかつ無料 | 情報量が少ない |
Godot | ものすごく軽量 オープンソースかつ無料 | 大手エンジンに比べると、未熟な機能も多い 情報量が少ない |
GameMaker | 2D開発に特化している ビジュアルスクリプティング | 3D開発が苦手 情報量が少ない 商用利用の場合、ライセンス契約が必要 |
まとめ
ゲームエンジンは、2Dや3D、料金やライセンスなどに応じて選択することができます。
作りたいゲームに応じて、色々試してみてください。